ビジネスモデル特許



 所長の堀です。2002年、私は、弁理士会ソフトウエア委員会第1部会の部会長を拝命しておりました。委嘱事項は、ビジネスモデル特許でした。ソフトウェア関連発明の保護に関する現行特許法の問題点(http://www.kasumigaseki-ipo.com/Software%20Invension%20Problem.pdf)はその時に作成され、パテントに掲載されたものです。
 2002年というと、その少し前から世間でビジネスモデル特許という言葉が出始め、ビジネス書などでその特集が組まれた時期です。
 王選手の一本足打法、バサロスタート、名刺の出し方まで「ビジネスモデルとして特許が取れる!」などと掲載され世間を騒がしました。
 ビジネスモデルと思しきものが出願され始め、特許庁としても早急に審査基準を策定しなければならず、白羽の矢が立ったのが上記委員会でした。
 ビジネスモデルの審査基準の策定について、庁と我々と意見交換し、時に多くの審査官と対面形式で議論も致しました。丁々発止喧々諤々の議論を経て我々の意見が盛り込まれた審査基準が策定されました。
 結論としては、ビジネスモデル特許については、法律用語ではなく、ソフトウエア関連発明の一態様として審査されるということに落ち着きました。ビジネスモデル特許(発明)はソフトウエア関連発明であり該発明も発明に包含されますから、通常の発明と同様、物、方法、生産方法のいずれかのカテゴリーに分類されます。
 しかし、例えば、機械、電気、化学発明と異なり、ソフトウエア関連発明と言えるために、発明、即ち技術ではなくてはならないという要件が加重されました。所謂発明性です。いきなりステーキ事件でも発明性が問題になりました。技術ですから、前述の一本足打法等は発明性が否定され、特許をとることはできません。庁からすれば拒絶できるようになりました。
また、5年ほど前からは、ビジネスモデルのうちICTを介して実現されたものをビジネス関連発明と呼ばれるようになりました。現在、ビジネス関連発明は、多くの大企業から中小企業、ベンチャー企業から出願されています。いきなりステーキ特許は第3次産業企業が権利主体です。
 ビジネス関連発明が含まれる当該審査基準も20年近く経過し、何回か改訂され現在に至りますが、発明性が必要なことは現在でも変わりません。
 ビジネスモデルも当初は登録率が30%以下と、機械分野等と比べて非常に低かったですが(全分野では約60%)、最近ではビジネス関連発明にカテゴライズされる発明等は60%以上と非常に高い登録率となっています。私見ですが、プロトコルなど純粋情報通信分野の登録率が非常に高い為、関連するビジネス関連発明のそれも引き上げられているとみています。
 ビジネスモデルについて特許出願すべきですか?
 勿論です。蓋し、”モノ”を作るには資本、技術が必要ですがビジネスモデル特許については閃きがあれば足り資本技術が必要が無い為、特に個人、中小と親和性が高く、ステーキ屋さんでも出願できてしまい、自己の実施の確保さえ危うくなるからです。ビジネスモデルに関しては敵は同業他社だけではなく異業者、ベンチャー、個人も有り得るのです。事実、ビジネスモデル特許に係る出願は年々増加しています(https://www.jpo.go.jp/system/patent/gaiyo/sesaku/biz_pat.html)。
 ビジネスモデル特許を取得すれば、@ビジネスの実施を確保し、A他社からの攻撃を受けた場合にはカウンターとなり、B活用すれば攻めに転じることも可能となります。
 私見ですが、上述の審査基準の経緯、変遷、現状を把握している特許事務所は非常に少ないと推察しております。
 弊所は、我々のs経験、知力により、貴社のビジネスモデル特許の取得、活用に貢献できる数少ない特許事務所であると確信しております。